大菅小百合選手
プロ野球開幕戦観戦記
Text&Photo by 米田昌浩(PRISM)
2002.3.30-31



 今年3月、大菅選手の故郷である北海道で初めてのプロ野球開幕戦、西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ戦が行われました。球場は昨年完成したばかりの札幌ドームです。
 大菅選手は同じ世代のスポーツ選手の代表とも言える西武ライオンズの松坂投手の登板する開幕戦を観戦し、翌日はその松坂投手と雑誌の対談をするために長野から札幌にやって来ました。その時の様子を、仕掛け人でもある私、ライターの米田がリポートしてみようと思います。
 まず、開幕戦が行われた3月30日の前日、29日に長野県・松本空港より新千歳空港に到着。その日は札幌市内のホテルに一泊して、翌日いよいよ生まれて初めての生のプロ野球
観戦です。一塁側のスタンドに座り、米田が渡したライオンズのメガホンを片手に会場の雰囲気を楽しみながら、徐々に応援モードに入っていきます。
 この日の試合の始球式には、ソルトレークシティ・オリンピック、モーグル競技で見事銅メダルを獲得した地元・札幌出身の里谷多英選手が小学校の可愛い後輩2人を連れてマウンドに登場。この時、大菅選手は「もし自分がメダルを取っていたらあそこにいたのは私かも?」…と思ったかどうかはわかりませんが、米田は来シーズン以降、いい成績を残してそういった場に立って欲しいなと感じてました。
 そしていよいよ試合開始。大菅選手は元々ライオンズの松井選手の大ファンなので、試合が進むにつれて応援にも熱が入ります。また、マウンド上では同じ歳の松坂投手が過去2年連続で開幕戦で負けているせいもあってか、気合いの入ったボールを次々と投げ込み、相手打線を封じていきます。特に、松坂投手の最大の武器であり魅力でもあるストレートは、たびたび電光掲示板に150kmの表示が出るくらいに走っており、大菅選手も「凄い!」と言ってビックリしていた様子です。ライオンズの攻撃の時には、メガホンを叩きながら楽しそうに応援しています。特に、松井選手の打席では一球一球に「あーっ」とか「わーっ」とか自然と声も出てきます。
 試合は、松坂投手が終盤崩れかかったものの、失点を最小限にとどめ、見事な完投勝利。
大事な開幕戦を勝ったことで、翌日の対談も上手くいきそうな予感がしました。今だから言える話ですが、もし松坂投手がKOでもされていたら翌日の対談はどうなることやら…と、不安を募らせていた米田でしたが、さすが日本球界を背負って立つエースだと心の中で松坂投手に感謝のエールを送っていました。
 さて、翌日いよいよ大菅選手と松坂投手の、日本のスポーツ界を担う2人の21歳が初めて顔を合わせます。その日は、まず球場に早めに行き、グラウンドの隅でライオンズの練習を見学。ここで大菅選手に思わぬハプニングが起きます。ナント、ずっと憧れていた松井選手が目の前にやって来ました。大菅選手は松井選手に人伝てではありますがサイン入りバットを頂いたということで、そのお礼を何とか言いたいのですが、あまりの緊張でなかなか声をかけられません。そこで米田が松井選手の居る近くに大菅選手を引っ張っていき、「ほらっ、早く声をかけなよ!」とあおります。でも大菅選手は「駄目ですよ。緊張して足が動かない…」と、もう側にいるというだけでパニック状態でした。で、結局はスピードスケート界の大先輩であり、現在は西武球団の職員でもある黒岩彰さんが松井選手に大菅選手を紹介して、無事お礼を言うことができました。その時の喜びようといったら凄かったですよ!(笑)。

 

 

 

 さて、そんな喜びに浸る間もなくいよいよメインの松坂投手との対談です。米田が司会役をやらせてもらいましたが、同じ歳の2人はすぐに意気投合。お互いの競技についての話や、世代交代について、そして誌面には書かなかったですがスポーツとは一切関係ないような話でも盛り上がりました。
  そして、大菅選手が希望していた松坂投手とのキャッチボールも実現。実は、それに関してはできたらいいなとは思っていたものの、前日登板したばかりとあってほとんど無理だと思っていたのですが、ナント! 松坂投手の方から「キャッチボールをやりたいって話がありましたよね? 僕は是非ともという感じなんですけど」と言ってくれたのです。その松坂投手の言葉で、場所を札幌ドームのブルペンに移してキャッチボールをしました。ボールを投げ合う間は、米田など関係者は余り会話に口を挟まずに楽しそうに2人で会話をしていました。それにしても、大菅選手の上手いこと! 投げる球も速いし、キャッチングもとても上手いんです。さすが、元ソフトボール部のエースとして中学時代に全道大会に出ただけのことはあります。それには松坂投手もビックリした様子で、「ホント、上手いっすねぇ。女の子にしては凄いですよ!」と称賛の言葉を連発します。それに気を良くしたのか、事もあろうか? 大菅選手は松坂投手に向かって「もっと速い球投げてくださいよ!」なって言ほどです。それには松坂投手も苦笑い(笑)。そんな感じで無事、対談とキャッチボールが終了。その後は、途中までバックネット裏から試合を観戦し、ホテルに戻りました。
 この2日間は大菅選手にとって、本当に楽しかったようで、別れ際にお礼を言われた米田は、お礼はスケートで頑張ってくれるのが自分にとっての最高のお礼だよといい(そうすれば自分の仕事もまた増えるしなどとも言いましたが)、来シーズンの活躍を約束してもらいました。
 なお、対談の様子は掲示板にも書きましたが、北海道新聞社発行の「道新Today」5月号に掲載されてますので、まだ読んでいない方は本屋さんなどに問い合わせてみてください。もし、すでに新しい号が出ていても、北海道新聞社に問い合わせればバックナンバーも手に入るはずです。では、次回のリポートも楽しみにしていてください。

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