大菅小百合選手
自転車競技挑戦記2
Text&Photo by 米田昌浩(PRISM)
2002.6.16



[競輪東日本実業団選手権]
(埼玉県所沢市・西武園)

 大菅小百合が所属する三協精機スケート部が自転車競技に参戦して、この大会が2回目となる。前日は雨が降り、バンクが滑りやすくなっていたため、走行中の転倒など危険が心配されたが、この日は雨も上がり、バンクも乾き一安心だ。
 大菅小百合と妹の淳子が出場するのは、前回の長野大会と同じ500メートルのタイムトライアルだ。会場に集まった自転車競技関係者は、大菅小百合が長野大会でいい記録を出したのを知っているため、レース開始前から多くの人間が注目しているのが良くわかる。
 レース開始前は長野大会の時と同様、チームはリラックスムード。ローラーの上に置いた自転車でウォーミングアップをこなし、床の上で入念なストレッチをこなす。
 さあ、アップもストレッチも終え、いよいよ自転車と共にバンクへと入る。前回もそうだったが、レース直前になるとさすがに少々緊張するようだ。プロの競輪と違い観客は居ないが、多くの選手や関係者が大菅小百合の走りに注目の眼差しを注ぐ。軽くバンクを周回し今村監督と最後の打合わせをする。そしていよいよスタートラインに立つ。

 号砲と共にスタート! スケートのトレーニングで鍛え上げた腿の筋肉が張り、ペダルへと力を伝える。大菅小百合が漕ぐ自転車はたちまちスピードを上げバンクを走り抜ける。
ゴールする前から、周囲で見ていた人たちから「これは早い!」と驚きの声が上がる。そしてゴールラインを駆け抜けると、誰もがそのタイムに注目した。37秒313。これは、橋本聖子が持つ日本記録には及ばないものの、この大会の新記録である。
 周囲から騒めきが起こる。選手、関係者などから称賛の声も上がる。アスリートとしての類い稀なる能力。それが、本職のスピードスケートだけでなく、自転車競技にもいかんなく発揮されたのだ。関係者からは、すぐさまワールドカップやオリンピックへの挑戦といった話が飛び出す。低迷する日本女子選手の中において、その大菅小百合の存在は放っておくわけにはいかないのだろう。
 その後、大菅小百合は自転車競技の合宿に特別参加するなど、橋本聖子に続き夏冬両方のオリンピック出場が期待されているが、今のところは、本人も今村監督も「まずはスケート」という姿勢を崩さない。しかし、今村監督が狙う自転車競技に参加することによって多くのレースとレースのプレッシャーを体験することで、スピードスケートにおいての精神的な強さを身に付けるということであれ
ば、4年後のトリノ五輪の前に、2年後のアテネ五輪を体験するということは、ひょっとしたら大菅小百合にとって大きな財産になるような気がしなくもない。
 今後、三協精機スケート部はアメリカ・ソルトレークシティに渡り夏の氷上トレーニングを行うが、帰国後には自転車の全日本実業団選手権にも参加するという。まずは本職のスピードスケートで頑張って欲しいのはもちろんだが、自転車競技においての大菅小百合も目が離せなくなったのは事実だろう。



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